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湯田中温泉、夏の長期滞在

川村 正春

 夏の間、涼しい高原で長期の避暑生活。憧れのセレブ生活です。昔だったら、ほんの一部の特殊階級のみに許された、自分には無関係な贅沢。しかし今は、そんな素晴らしい生活を簡単に体験することが出来ます。
「信州発、長期滞在.com」
「来たいときだけフラリと来て、好きなだけ居られるように、今までの旅館の概念を変え、安価で気楽な使い切りの別荘を提供する。」
このホームページを見つけて、早速連絡をとり、出かけて見ることにしました。

1、 湯田中温泉
 長野電鉄の終点。志賀高原のエントランス。
40年も前の思い出、憧れの志賀高原スキー。夜行列車で長野駅に着いて、長野電鉄に乗り換え早朝に到着した湯田中駅。眠い目を擦りながら雪国の寒さに震えた。懐かしい駅舎はその頃のままです。今とは違い、スキー旅行は時間もお金もたくさんかかり、とても贅沢なイベントでした。それでも楽しかったね・・。青春時代の思い出いっぱいの場所です。
 今はマイカーやバスで志賀高原に行く人が多い。信州中野インターからバイパスを通るとあっという間に志賀高原。この新しい道路で置き去りにされてしまった湯田中温泉。
 けれども、この地は町に近いから生活に便利。高原に近いから自然がいっぱい。しかも湯量の多い源泉かけ流しの温泉なのです。
 安価で気楽な"使いきり別荘"は、この地の新しい提案。広い高原は農地に適し、野菜や果物が豊富。朝市では新鮮な農産物が驚くほど安く手に入ります。

湯田中温泉/朝市


2、 長期滞在の温泉旅館
 今回お世話になった宿は長期滞在専用の宿。食事の提供は全くありません。しかしここは、元々、2食付サービスをしていた大きな旅館。お部屋にはシャワートイレ、洗面所があり、無線LANが使い放題。
 数年前、女将さんが病気で入院したため宿を閉鎖。宿にとって女将さんの存在は偉大です。退院後一年経って今のシステムに変更し、小規模ながら再開。そんな女将さんは、それでも、じっとしていられない。毎日色々なものを作って、差し入れしてくれる。漬物や煮物、もぎたて野菜や果物。生でも甘いトウモロコシは、蒸すと一層美味しくなる。女将さんの暖かい気持ちに感激。だからということでもないけれど、旦那さんや若女将にパソコンを教えてあげる。もっと感謝されて、もっと差し入れが・・・!!

湯田中温泉/眺望


3、 高原の山歩き
 天気が良い日は志賀高原に登り散策。澄み切った空気の中、山々には可憐な高山植物の花が咲き乱れています。デジタルカメラの接写モードで何回もシャッターを押す。"下手の鉄砲も数打ちゃ当たる"その場で確認できるので無駄がありません。横手山、東館山高山植物園、どこでも綺麗な花が見られます。山頂は2000m以上、気温は真夏でも20℃。リタイア組の登山者グループが目立ちます。夏休みなのに若い人達が少ない。私達の青春時代、高原は若者達ばかりでした。ということは、ここにいる人々は、その時の楽しさを経験した昔の若者達ということですか。

湯田中温泉/高原植物


4、高原に広がる音楽の調べ
 夏休みに音楽クラブの学生が志賀高原で合宿をする。その成果発表会を兼ねて8月に蓮池の総合会館で無料の音楽界が開催されます。応援するスポンサーも付く合計10回以上の本格的な音楽会。爽やかな風が吹く高原には、文化的な香りが広がります。
 もう一つは、小澤征爾さんが指揮をする森のオーケストラの音楽会。若い演奏家の弦楽合奏です。場所は山ノ内中学校、小澤さんは、練習から熱血指導、演奏家達の目も輝いています。講堂の開け放しの窓から車の音が入る、それも高原の音楽会らしい。お返しは中学生全員のコーラス。とても爽やかで心が暖かくなる素敵な空気が流れます。
山ノ内町に別荘がある小澤さんが、24年間も地元のために活動しているとのこと。

5、お休み処ワークショップ「楓」
 駅前の温泉街を歩いていたら突然私の名を呼ぶ声。その声の主は宿の女将さん。彼女はワークショップ「楓」の仕事をボランティアでしています。ここは地元や長期滞在をしている人達のオアシス、温泉街活性化の総合ステーション。私達もお茶と御菓子をご馳走になりました。今回宿を予約する際に電子メールで連絡を取った人と、ここでお会いすることができました。彼は私と同世代、私のホームページを見てくれています。とても親しくなり、後日食事をしながら情報交換。インターネットを中心に参加者全員が楽しむリゾート、しかも健全な経済活動が可能になる社会、そんな理想像を語り合いました。
 今回は旅館の長期滞在という初めての経験。美しい自然と素敵な音楽。地元を愛する人達との出会い。内容はちょっと盛りだくさん。でも、ちょっとだけ地元の人間になりました。

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作者 川村 正春
59歳、4年前に早期退職をしました。与えられたものではなく、自分から人生の楽しみや幸せを掴みに行く。そんな課題の回答を求めて世界中をうろうろしています。自分のホームページで情報発信をしています。


このコーナーでは、あなたの観光名所情報を募集しています。



情報更新:2010/3/10

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