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カナダ秋紀行

川村 正春


 夏も盛りが過ぎていくと、カナダ紅葉ツアーのパンフレットが気になり始める。一度は行きたいと思いながら、在職中は仕事仕事で、あきらめていた。リタイアから2年目の今年、今度こそはと調査を開始。出来たら大陸横断をしてみたい。でもレンタカーの乗り捨て料金を見てびっくり。格安航空券も同一空港の往復しかない。トロント往復1ヶ月で6万円という何とも嬉しくなるものを発見。やっぱり値段には勝てないと、あっさり横断を断念。結局決めたのは、9月下旬出発で22日間、ナイアガラから大西洋沿岸までをレンタカーで巡る。最初の2日間は宿を予約、後は臨機応変。名所は当然行くとして、みんなが知らない所も是非とも見たい。慌ただしい準備を終え、いざ成田を出発。ここでは、そんな欲張り旅行で見つけた、隠れた名所を紹介することにしよう。

「アッパー・カナダ・ビレッジ」
 場所はオタワの南。カナダ開拓の歴史村。祖先への畏敬の心が感じられる真面目な良い施設。鍛冶、家具、パン、酪農、紡毛、製粉、医者など、当時のままの建物と生活を実際に見せている。はるかなる時間の流れの中で現在が存在する。世界のそれぞれの地域で、さまざまな歴史がある。そんなことを感じる旅が大好きだ。写真は当時の学校を再現したもの。子供達が規則を守らないと、先生はこの棒で手を打ったという。それにしても、この先生、とっても厳しそうでした。
 

アッパー・カナダ・ビレッジ
 

 

「イースタン・タウンシップス」
 静かな森と湖、人里離れた修道院、美しい町並み。モントリオールの南にあるこの地域には、昔の軽井沢のような避暑地が、たくさん点在する。写真は米国境に近いコーティクック公園。一時間くらいのハイキングコースがある。写真はギネスブックにも載った世界最長の吊り橋と奥に見える展望台。そこに登ると一気に視界が開け、眼下の紅葉も最高。しばし景色に見とれながら思ってしまう。こういう避暑地で、ひと夏を過すという事が豊かな人生なのだろうと。
 

イースタン・タウンシップス
 

 

「ペルセ岩とクレバス」
 ガスペ岬の近くにあるペルセ岩。国道の小さな峠を越えると、のどかな風景が突然現れる。真っ青の海と空、小さな白い家、綺麗に整えられた芝。童話の世界にいるようで、気持ちが暖かくなる。もう一つは山側のクレバス。カナダは景勝地を探すのに、とても苦労する。標識はほとんどない。ちなみに、このクレバスまでは、国道から細い砂利道に入り、4輪駆動車のみという立札のある急斜面をしばらく登り(セダンでも何とか登った)、更に20分歩いて来ることが出来た。国道を離れてからは、誰にも会わなかった。熊が怖かったので、大声で歌いながら歩いた。紅葉を背景にして大きく割れた岩はスリル満点。それ以上に人が誰もいないのが恐ろしい。この高台から、ガスペ岬全体を見渡すことができる。景色としては、とてもお勧めの場所です。
 

ペルセ岩とクレバス
 

ペルセ岩とクレバス
 

 

「プリンス・エドワード島(PEI)」
 コンフェデレーション橋を渡りPEIに入る。真っ青の空と海、白い灯台と何処までも延びる直線に強い輝きがコントラストを与える。赤毛のアンの作者モンゴメリーが愛したPEI。彼女が育った村キャベンディッシュは、昔の面影を残していた。この村があることに気が付かず通り過してしまった位、小さくて静かな所だった。写真はPEIの最東端イースト・ポイントの灯台。こんなに景色が素晴らしいのに、今の時期は人がいない。北米の人々のPEIは、赤毛のアンではなく完全なる避暑地。イギリスの湖水地方でも同じことを感じた。日本のツアーはピーターラビットの名所見物。でも、彼らは今の自然を楽しむ。自然の楽しみ方も違う。日本では、観光船やスワンボート、お土産屋。スピーカからは流行歌が大音量で流れる。一方、彼らはフットパスをひたすら歩く。見知らぬ人との会話を楽しむ。この文化の違いを理解したい。
 

プリンス・エドワード島(PEI)

プリンス・エドワード島(PEI)
 

 

「カボットトレイル」
 ノバスコシア州の北、ケープブレトン国立公園。その周囲を巡る300Kmは、北米大陸で最も美しい海岸線、そして鮮やかな紅葉。カナダを初めて探検したイタリア人ジョンカボットから名付けられたカボットトレイル。その美しさは、さすがに期待を裏切らなかった。いたる所にビューポイントの駐車場がある。今までもカナダをドライブ中、綺麗な紅葉は、たくさんあった。でも、なかなか写真を撮ることが出来なかった。なぜなら、普通の道でも車は時速100Km。駐車場のない所で車を止める事は、極めて危険な行為なのだ。 22日間の日程は、かなりゆったり出来ると予想していた。でも終わってみると総走行距離8320Km、一日平均400Km。とんでもないハードな旅行になってしまった。カナダの大地は予想以上に広かった。そして、その大地でさえ、大陸のほんの一部なのだ。旅への憧れは、この地球の雄大さなのだろう。
 

カボットトレイル

カボットトレイル


 


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筆者近影川村 正春
56歳、昨年早期退職をしました。 今は、好きな旅をしながら、 豊かに人生を過すことを学んでいます。 自分のHPを持っています。HPはこちら

 

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情報更新:2006/12/13
 

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