■ 歴史と街歩きミニ情報
箱根湯本温泉は江戸時代にぎわった箱根七湯の中で最も古い温泉。戦国時代の武将北條早雲は早雲寺を創建。湯本は門前町としてにぎわうようになります。北條氏綱の時代小田原北條の武将達は早雲寺に参詣するたびに温泉に浴したと言われ、湯本は温泉場として発展していきます。このように古くから湯宿が建つようになり今でも魅力ある旅館が残っています。寛永2年(1625年)に創業した老舗旅館萬翠楼福住は稼動中の旅館としては始めて国の重要文化財に指定されました。そんな歴史をまずは、箱根町立郷土資料館で知ってから旅のスタートを始めてみましょう。
塔ノ沢温泉は阿弥陀寺開山の上人が慶長10年(1605年)に発見したと伝えられています。箱根七湯の中では歴史は新しいが良質の温泉が湧き出し諸国からの湯治客で賑わいました。
十返舎一九は『箱根江の島鎌倉道中記』のなかで、「・・・ここにいたっては景色よきところにして、山を勝麗山といひ、川を早川といふ。この湯ハ、まことハかくして養生湯なり。諸病によし。湯宿も奇麗風流にて、入湯の人もおほく、軍書、講釈、落語、楊弓もありてにぎハしき所なり」(塔之沢は景色がよくて、ここの温泉はいろいろな病気によく効く。宿も奇麗で入湯の客が多い。戦記ものなどの講談や落語、楊弓も楽しむことがでてとてもにぎやかなところだ)と記しています。文人たちに愛された塔之沢温泉は、いまでも往時の温泉場の雰囲気が色濃く残っていますが、華やかな花を一年中楽しめる「箱根ベゴニア園」も出来て新しい魅力が生まれています。
|